大地主と大魔女の娘
「このまま村に戻っても生きてはいけまい。持参金が無くては、嫁の貰い手だってなかろう」
「あの、お嫁さんに行けない?」
「そうだ」
それもそうに違いない。
だって。
こんな大きな家にたてつき続けたのだ。
しかもついにご不興を買ってこうやって連行されてしまった。
噂はもうくまなく広がっているだろう。
何せ小さな村だもの。
誰だって厄介ごとは避けたいに決まっている。
それどころか明日からは村八分とやら決定だろう。
ヘタしたら野菜も売ってもらえないかもしれない。
それくらいならまだ可愛い方だ。
やはり、この土地を離れて遠くで生きていかねばあるまい。
おばあちゃんのお墓を放置したくは無かったが、致し方あるまい。
その事でまた新たな痛みを覚える。