花
ただ、″あの日″の和は疲れていて、
一人に なりたかっただけ、だった。
貴史を避ける毎日が辛くて、
誰も居ない場所で ただ少し息抜きが出来ればいい と、
思っただけ。
一日の授業が終わり、
和は、一人に なれる場所を探して、教室を出た。
しばらく、貴史に遭遇した屋上・教室・音楽室を避けながら、
人の居ない場所を探して校内を歩いて居ると、
突然、聞き覚えのある声が聴こえて来て、思わず足が止まった。
「…うん…、…だね。
じゃあ一応 言っとくと、
317号室の深谷 香澄くん…だから。
今度は絶対 来てね!
…蓮 先輩っ」
そう言って、蓮に手を振ると、
凛は くるりと向きを変えて、和の方を見た。
和は咄嗟に その視線から逃れようと したのだが、間に合わなかった。