花
和を見つけた凛は、吃驚したよう だったが、
すぐに笑顔に なって、言った。
「和ちゃん!」
「り、凛ちゃん…
…ごめん、聴くつもりは なかったんだけど…」
「あ、ああ…ちょっとね。
この前の、ピアノ教室の先生の息子さんの病室に、
蓮 先輩にも来て欲しくって、誘ってたんだー。
宗谷くんも時々 行く病室だから、
ファンクラブの子達に聴かれたら まずいかな と 思って…。
でも和ちゃんだったら、大丈夫だよ!」
にこにこ しながら、凛が言った。
「ほら、この前は和ちゃんをストーカーしちゃったからねっ 笑
今日こそは ちゃんと病院 行こうと思って」
凛の後ろから ひょっこり顔を出して、蓮も言った。
「そ、そうでしたか…」
「あ。
もし良かったら、和ちゃんも行って あげてよ」
「…え?」
突然の凛の言葉に、和は素っ頓狂な声を上げた。
「何て言うか…。
香澄くん…あ、先生の息子さんね、
ずっと一人だったから…。
大勢 行けば喜ぶから!」
凛は多くは語らなかったが、
凛の事だから、色々な人へ配慮した結果なのだろう と 思い、
和は迷いながらも、躊躇いがちに頷いた。
「う、うん。
私で良かったら…」
「ありがとう!
きっと、宗谷くんも喜ぶよ」
凛は単純に、香澄が貴史の友達だから、
たくさん お見舞いに行けば、友達の貴史も喜ぶと言いたかった と 思うのだが、
″宗谷くん″という名前を聞いた途端、和は急に不安に なった。
「凛ちゃん、
もしかして…今日は宗谷くんも行くの?」