白いジャージ9 ~最終章~
アジアンカフェ。
大きな象の置物が入口で迎えてくれた。
お香の匂いの漂う不思議なカフェだった。
「ここのチャイが美味しいの~!」
女子高生のクチコミは、何よりも信じることができる。
懐かしいな。
「そうそう、最高だよね」
「デザートも美味しいしね」
女子高生の会話を聞きながら、自分の高校時代を思い出していた。
学校帰りに、ゆかりとお茶をしたこと。
買い物をしたこと。
そんなことを思い出しながら、生徒達を見ていた。
みんな、キラキラしてる。
楽しそう。
「てか、次のテストやばくない?」
「もう、終わってるよ。化学とかありえないし」
「俺だって、体育以外全滅っぽい」
テストの話題もなんだか久しぶり。
大人になるとテストなんてないもんね。
「おい、お前ら。やばいってわかってるなら早めに勉強しろよ」
教師の顔した先生が、レモン風味の水をグイっと飲んだ。