シュガー&スパイス
倫子とは居酒屋とか、立ち飲み屋とかも行ったりしてたけど。
英司とは一回も行ってないなぁ
いつも、予約してくれたのはホテルの最上階の、夜景の見えるレストランだったり。
あのイタリアンのお店だったり。
ふたりで遊びに行ったのだって、ドライブデートとか、あとは英司の家で過ごしてたりしたっけ。
遊園地とか、テーマパークとか行きたいなって思ってたけど、なんか誘い辛かったのを思い出す。
その時、大げさなため息が聞こえた。
「黙ってるという事は、肯定してるって事か。女の子に無理させるなんて俺もまだまだだな」
「えっ、そんな事ないって!え、英司といて楽しかったよ?」
あたしは思わず身を乗り出すとブンブンと首を振った。
「ハハハ。菜帆は素直だな」
「……」
可笑しそうに肩を揺らして笑うその顔に拍子抜け。
「も、もぅ……」
そのままドサッとソファにもたれる。
もしかして、かわかられた?
びっくりした……。