歩み
このプリクラを見る度に思い出すんだ。
過去を振り返ると、優と小林と沙紀の笑顔があって、俺は嬉しくて、ずっとこのままがいいと思うのだった。
けど、優の世界には太陽が無くなってしまった…。
…次の日から、優と小林は一言も話さないようになってしまった。
何が二人を邪魔しているのだろう?
俺と沙紀はそんな二人に気を使って、俺は優と、沙紀は小林と、休み時間一緒にいた。
だから沙紀とは行きか帰りしか一緒にいられなくなったのだけど、優を一人には出来なかった。
それを沙紀は理解をしてくれた。
だから喧嘩などしなくて済んだのだ。
そんな日がしばらく続いたある日。
また小さな事件が発生。
この日の昼休み、俺はいつも通り、優と会話をしていた。
今日の話の内容は昨日のテレビのこと。
さすがに沙紀とのノロケ話なんか出来ない。
理不尽すぎるから。
だから『小林』という名詞もなるべく出さないように努力した。
もし小林の名前を出したら、優が悲しむはずだ。あの表情が脳裏に浮かぶ。
そう思うと胸が苦しくなった。