歩み
どこまでも広がる、青い空を見たら誰でもそう思うでしょ?
違う?
沙紀が迎えに来る時間が迫ってくる。
それまでに朝食を済ませて、制服に着替える。
もう制服に着替えるのは慣れたものだ。
未だにネクタイを締めるのには悪戦苦闘するけど。
今日は少しだけ早く用意が出来た。
たまには沙紀を待つことにしよう。
家を出て、入口あたりで沙紀が来るのを待つ。
そして待つこと数分。
前方から沙紀がやってきた。
長い髪の毛をアップにしている沙紀。
それが春風に揺れる。
お前はやっぱり綺麗だ。
桜の花びらが散る、散る。
その中を歩いている沙紀。
まるでドラマのワンシーンのよう。
胸が締め付けられる。
今だけ演技をする男優の気持ちが分かる気がする。
「歩、おはよう。珍しいね?歩が待ってるなんて」
照れているのを隠しながら、俺は言う。
「沙紀を待ってみたかったんだ。ただ、それだけ」