歩み
…今から優と小林と久しぶりに会う。
どんな顔をして会えばいい?
いつもと同じでいいよね?
二人はいつもと変わらないでいて欲しい。
頼むから別れたなんて言わないで。
学校に着き、久しぶりの教室に向かう。
もう優が教室にいた。
大丈夫、普段通りにすればいいんだ。
「おーっす。優!」
優に近づき挨拶をする。視線を優の手元に移すと、薬指にシルバーリングがはめられてあった。
これは、もしかして?
「あれ~優~、その指輪なぁんだ?」
「これ~?百合とのペアリング」
そう聞いたとき、あの疑いが晴れた気がした。
やはり二人には何もないじゃないか。
勘違いだったんだよ、多分。
「嘘ぉ~すげぇ!俺なんか沙紀に何もあげたことない」
「…仕方ないって!」
変わらない優の笑顔。
良かった、まだ壊れていない。
「だよな~。でも愛があるから大丈夫!」
きっと、きっと優と小林にも愛があった。
けどどうして壊れてしまうのだろう。
小林のアザは、優を苦しめるくらい青黒かった。滝川先輩の嫉妬のようなものを見ているよう。
二学期が始まって、すぐ行われた文化祭のとき、歯車は狂い始めた…。