歩み
どうして狂ってしまったのだろう。
優の悲しそうな表情が俺を苦しめる。
ごめんな、俺はただお前たちの恋を遠くから見つめることしか出来なかった…。
…そして文化祭当日。
学校には他校の生徒たちで溢れていた。
俺たちのクラスは模擬店。
売るものは「たこやき」
文化祭といったらたこやきだろ?
誰か決めたのかは分からないけど、そんな気がした。
店は朝から混雑。
やはり値段が安かったのだろうか。
5個200円にしたのが間違いだった。
猫の手を借りたいくらい忙しかった。
だから落とし穴があったのかもしれない。
この時、既に歯車は狂っていた。
「暑いなー。早く終わらねぇかな…」
たこやき機の前で俺は不満を漏らす。
今はもう昼を過ぎた頃。今日何回たこやきを焼いただろうか。
もう正直飽きた。
今じゃこの丸い形が憎くて仕方がない。
「歩、さっきからさ…」
突然優が静かな声でこう言ってきた。