歩み
「え?なに!?」
俺は沙紀のいる方へと歩いていく。
人が邪魔してなかなか前に進めないけど頑張って足を動かした。
そして沙紀との距離は縮まった。
「どうした?」
「…もう無理よ…。あたし我慢出来ない…」
ちょっと、ちょっと。
いきなり何を言い出すの?
話が見えないよ。
「へ?ちょっと落ち着け!静かな場所に行こ?」
俺は沙紀の手をしっかり握り、人気のない静かな場所へと移った。
さっきの人の洪水が嘘のような中庭。
中庭は静かで話すのには最適な場所だった。
「で?なに?」
「あたし見ちゃったの。さっきね、百合と滝川先輩が一緒にいたところを…」
自分の中の何かが崩れる音が聞こえた。
それを聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。
今は昼間なのに、夜だと間違えそうなくらい。
それくらい衝撃的だった。
「え、う…嘘だろ?」
嘘だって言ってくれよ。優が見せた悲しい表情が浮かんでくる。
あいつは小林を探していたのに…
そんなのありかよ。