歩み



意地悪、意地悪、意地悪。


なぜそんなことをするの?
しなくてもいいじゃないか。
小林も何してるんだよ…。




「それを優は知ってるのか?」



沙紀の瞳を見つめて、問いただす。
沙紀の瞳は少しだけ潤んでいた。
お前も辛いんだよな。
分かってるよ。
俺もそうだから。



「…知らないと思う…。さっき聞かれたの。百合はどこにいるか?って。あたし怖くて…言えなかった…」



このことを優が知ったら、二人の関係は確実に壊れると思う。
だから優が知る前に阻止をしなくちゃいけない。


俺と沙紀はいつの間にか走り出していた。
小林に気づかさなきゃ。そして確かめなきゃ。
小林は誰が一番好きなのか。


確認しなくちゃ俺の気持ちが収まらない。


頼むから、優は何も見ないでくれ。



必死になって走る俺たち。
けど既にこの時、優の心は粉々になっていた。



俺がもう少し早く気づいていたら、何か変わっていたのかな…。





< 265 / 468 >

この作品をシェア

pagetop