歩み


優は幸せだな。
こんなに愛してくれる人がいてさ。



「斉藤くんに言っちゃおうかな。私の夢」



涙を手で拭き、また夜空を見上げる小林。


夢?
小林の夢は留学して勉強をすることじゃないのか?



「夢?他にもあるの?」



首を傾げて質問をする。そう言われると気になって仕方がない。



「笑わないでね?
…私の夢は鈴木百合になること…」




「…鈴木…百合?」




鈴木百合になりたい。
これが小林の夢だった。
優と永遠に結ばれたいということ。
優と結婚したいと言った小林が可愛く感じた。


素直だな、やっぱり。


俺もそうなって欲しいよ。



「なれるよ、絶対。てかならなきゃ怒るし!」



「ありがとう。これ、優くんには内緒だからね?恥ずかしくて言えないもん」




「はいはい。分かりましたー」




聞こえるか?
小林の夢は叶いましたか?
鈴木百合にはなれましたか?



だから俺は優の子供の名前を聞いたとき、驚いたんだ。
それと同時に嬉しかった。


小林の夢が叶った…と思ったから…。




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