歩み


夜空を見上げると泣けてくる。
小林の力強い願いが、交わした約束が、思い出されるから。



「なぁ小林、明日の準備しなくていいのかよ?それと優との最後の時間も大切にしろよ。待ってるかもよ?小林からの連絡」



そう言うと小林はポケットから携帯を取り出し、今の時刻を見た。



「あ!本当だ。もうこんな時間だ。優くんに連絡するの忘れてた…」



「どこか行ってたのか?優に連絡するヒマがなかったんだろ?絶対悲しんでるぞ、優」



笑みを溢し、俺は自転車が置いてある場所まで歩いていく。
外灯に照らされた自転車。
この自転車がショーウインドーに飾ってある新品の自転車に一瞬見えた。


「ちょっと今まである場所に行ってたの」



「ある場所?」




もし小林がこの日、あの場所に行っていなかったら、優はきっと前には進めていなかっただろう。



小林は最後まで優を支えていたのだ。




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