歩み



ある場所があったからこそ、優は未来へと繋がったんだ。




「さっき、博物館に行ってきたの」



「博物館?何しに?」




最後に行った場所が博物館ってどういうことだ?理解に苦しむ。
博物館になにがあるというのだ?

日本の歴史などを見てきたのか?
日本の過去を見てどうするんだよ。


けど小林は俺が思っていたことと真逆のことをしに行っていたんだ。




俺をじっと見つめ、黙ってしまう小林。
何かに耐えているような、そんな表情をしていた。



小林は知っていたのかな?
これからの運命。
これからの未来。



「ねぇ、斉藤くんは運命を信じる?私はね、信じてるの。」



俺も運命を信じている。沙紀と出逢ったのも運命なのだから。




「信じているよ…」




「…博物館で運命を未来に繋げてきたの…」




これが小林が俺に言った最後の言葉だった。
言葉の意味の真相はわからなかったけれど、小林は信じていた。


今が未来へ繋げられると。


運命を、未来を、今を。





小林は優に最後のメッセージを贈ったのだった…。




この日交わした約束は、ずっと守っていきたいと思っている。
それが俺の役目だから。

だから小林は安心して空から見守っていて…。






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