マスカレードに誘われて
「今まで、ダンスなんて習わなかったのに、何故あなたは踊れるの?」
「うーん、紳士の嗜みってところかな。これくらい出来るようにしておかないと、いざというときに恥ずかしいだろ?」
「まぁ、そうだけど……キースに教えてもらったの?」
「あぁ。正確には、キースとその愉快な仲間達ってところかな」
「何よ、それ」
イヴがクスリと笑う。
それでも、彼女に張り付いている不安は払拭されない。
「本当にどうした?元気ないな?」
「うん……実は……」
彼女は先刻、エリカに言われたことをロイに話した。
彼も真剣に相槌を打つ。
「うーん……実は、僕も似たようなことをキースに言われたんだよ」
「そうなの?」