マスカレードに誘われて

言葉を濁らせ、ロイから目を逸らす。
ロイは怪訝そうに彼を見たが、特に詳しく訊こうとはしなかった。

二人は剣を構え、イヴの前に立った。

「イヴは下がってて」

「でも……」

「大丈夫。イヴの事は、僕が守る」

イヴの方を振り向いて、安心させるように笑う。
彼女も申し訳なさそうに笑い返し、扉にぴたりと背をつけた。

前を見据え、敵を諦観する。

「キース、準備は?」

「私はいつでも大丈夫です」

「分かった」

ロイは一つ頷き、鎧に向かって走っていった。
キースも彼に続く。

一体だった鎧が、気付かぬ間に複数に増えていたようだ。

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