★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。
何があっても泣かなかった美鈴。
普通、家族から離れて男しか居ない人斬り集団のなかで暮らすなんて、どんだけ不安になるだろうか…。
大柄で強面で、簡単に人を殺めてしまう強引な芹沢に襲われて、どれだけ恐怖でいっぱいになっただろうか…。
そんな事があっても自分達の事を気にかけてくれた美鈴。
強く、可憐な他とは違う女の子やと思ってた。
そんな美鈴が今目の前で、
泣いている。
ホントは………………弱くて脆い、一人のフツーの女の子やった。
そんな顔しやんといてほしい。
偽りの笑顔も、泣き顔も…全て取っ払って心から笑っている美鈴の姿が見たいんや。
ギュッ
俺は美鈴の事をどうしても助けてあげたくて、俺の腕で美鈴を包み込んだ。
そんな俺に、美鈴はまた辛そうな顔をする。
美鈴「…すす…む…だから私は汚れてるか…らやめて…」
泣き崩れすぎや。
…声もかれて、抵抗する力もこんなにも弱くなってるやん。
山崎「大丈夫や…美鈴は汚れてなんかないで。美鈴は美鈴やねんから誰も嫌ったりなんかせえへん」
こんな俺でも出来るんやな…そう感心してしまう程の優しい声で、俺は美鈴に囁いた。