青春と幼なじみ




葉月に言われ、散歩することにした私たちは桜を見ながらもう少し奥に進んで行った。




すると、三人組のおじさんたちを見つけた。




「あの人たちもお花見かな…」




「だろうな。
つーか酒飲んでるし…」




足を止めて様子を見ていると、一人のおじさんが私たちに気づいた。




「おー、葉月くんに葵ちゃん、南くんじゃないか。
君たちもお花見かー?」




声をかけてきたのは近所に住んでいる吉田さんだった。




「そうです。
吉田さんもお花見ですか?」




「そうそう。
あ、三人もこっち来なよ。食べ物あるよー」




「あ、いえ私たちはもう食べたので…」




これ以上もう入らないし…。




「なぁ葵。
茜さんが作ったおはぎ全部食べれると思うか?」




隣で南がコソッと話しかけてきた。




「え…いや、ちょっとムリかも…」




葉月が作ってくれたデザートのプリンはみんな食べられたけど、お母さんが作ったおはぎまでは入らなかった。




…あ、そっか。




吉田さんたちにもおすそわけすればいいんだ!





「だったらさ、吉田さんのおっさんたちと一緒に食べた方が良くないか?」




南もどうやら同じことを考えていたみたい。




「…そうだね。
葉月、おじゃまさせてもらお?」




「まぁ葵がいいなら俺は止めないけど…」




葉月の許可が降りて、私たちは吉田さんの元に行って、おはぎを一緒に食べた。



お腹いっぱいでも、六人となるとおはぎは一気に無くなった。




ありがたい。










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