御劔 光の風2
「…僕には実感があまりないんだけどね。」
貴未の感動を冷ますように歯切れ悪くも日向は答えた。
自分にだって分かってはいない、何故自分がいることによって固く施されていた封印が解けていくのか。
自分の力の強さを分かっていないからではない、自分の力の影響が分からないのだ。
千羅はあの場で日向を皆に紹介してくれたが一度たりとも日向を火の神として話してはいない。
御劔というものがどのような存在なのか大まかに話は聞いたが、どうやら特殊な存在であると同時に公になることを好まない性質である気がした。
貴未が言うように光の神や風の神もまたそう呼ばれることを好む方ではないのだろう。
彼らには仲間ということで話してもいいのかもしれないが、とりあえずここは火の神である事は隠したまま日向は過ごすことにした。
千羅から遠回しにそうするように言われたからというのもあるが、実際にその実感が自分にはないのもある。
「…記憶喪失だっけ?」
日向の考えを深くまで探れなかった貴未はさっきまでの会話の中で気になっていたことを口にした。
思考は少し違う場所にあったがそれも間違いではない。
貴未の感動を冷ますように歯切れ悪くも日向は答えた。
自分にだって分かってはいない、何故自分がいることによって固く施されていた封印が解けていくのか。
自分の力の強さを分かっていないからではない、自分の力の影響が分からないのだ。
千羅はあの場で日向を皆に紹介してくれたが一度たりとも日向を火の神として話してはいない。
御劔というものがどのような存在なのか大まかに話は聞いたが、どうやら特殊な存在であると同時に公になることを好まない性質である気がした。
貴未が言うように光の神や風の神もまたそう呼ばれることを好む方ではないのだろう。
彼らには仲間ということで話してもいいのかもしれないが、とりあえずここは火の神である事は隠したまま日向は過ごすことにした。
千羅から遠回しにそうするように言われたからというのもあるが、実際にその実感が自分にはないのもある。
「…記憶喪失だっけ?」
日向の考えを深くまで探れなかった貴未はさっきまでの会話の中で気になっていたことを口にした。
思考は少し違う場所にあったがそれも間違いではない。