御劔 光の風2
「少し時間がかかるかもしれないわね。とても強い魔法の呪縛にかかっていたのだから。」
ナルの言葉にサルスは言葉なく頷いただけだった。
相変わらず目で追う先にはカルサがいる。
さっきまでは自分はあの姿でいたのだと、ふいにサルスの頭の中によぎった。
今は自ら存在を消した姿でここに立っている。
「ナルのおかげで…またこの姿を取り戻せたな。」
サルスの言葉にナルは微笑むだけだった。
封印を解いて本来の自分の姿に戻ろうとした時ナルが強く反対したこと、それはサルスパペルトという人物を失くすということだ。
あの時サルスの額にあった封印の紋章は消えてしまったが、まだ幼かった頃のサルスにナルは何重ものまじないをかけていた。
一度この封印が解けてしまってもまたサルスの姿になれるように、保険がきくような形で重ねていたのだ。
それは幼い彼の身体に強い負担をかけてしまったが、結果こうしてサルスの存在を守れたことにあの時の判断を間違いではなかったと救われた気持ちになる。
「紋章も消えたし、まさかだったよ。」
「髪で隠れて見えなかったのね。」
ナルの言葉にサルスは言葉なく頷いただけだった。
相変わらず目で追う先にはカルサがいる。
さっきまでは自分はあの姿でいたのだと、ふいにサルスの頭の中によぎった。
今は自ら存在を消した姿でここに立っている。
「ナルのおかげで…またこの姿を取り戻せたな。」
サルスの言葉にナルは微笑むだけだった。
封印を解いて本来の自分の姿に戻ろうとした時ナルが強く反対したこと、それはサルスパペルトという人物を失くすということだ。
あの時サルスの額にあった封印の紋章は消えてしまったが、まだ幼かった頃のサルスにナルは何重ものまじないをかけていた。
一度この封印が解けてしまってもまたサルスの姿になれるように、保険がきくような形で重ねていたのだ。
それは幼い彼の身体に強い負担をかけてしまったが、結果こうしてサルスの存在を守れたことにあの時の判断を間違いではなかったと救われた気持ちになる。
「紋章も消えたし、まさかだったよ。」
「髪で隠れて見えなかったのね。」