叶多とあたし


「うわぁ~…こんな小さい子泣かせたぁ……。日芽ちゃんサイテー」



「だまれ。クソ兄貴」




叶多の言葉にカチンときた。


棒読みで言うから余計にだ。





「だいたい、なんでなのちゃんと遊んでんのよ!あんたは覚えてたんでしょ?!」





「主に遊んでたのはお前だろーが。それに、お前すっげぇはしゃいでたじゃん。あんなに楽しそうにしてたのを止めろってのか?」






“はしゃいでた”



その言葉でちょっと前までのあたしを自ら冷静に思い出して、すごく恥ずかしくなった。




それが、叶多への八つ当たりに勢いをつけたのだ。





「うっ、うるさい、うるさーい!だまれってのよ!バカ!バーカ!バァーーカ!!」





「お前がだまれ場所を考えろ。大声出しすぎだ」





あたしがいくら叶多を悪く言っても、叶多は冷静にあたしを叱るだけだった。




周りを通る人たちもあたしたちに好奇の目を向けてヒソヒソと話している。





これじゃあ


あたしが全部悪いみたいじゃない……!






叶多は眉を少し寄せて、真顔であたしを見ていた。




その顔がすごく腹立たしくて



ムカついて




悔しくて






悔しくて






悔しくて!





バカ











「バァァァァーーーーーーカ!!!!」




自分でも、どこからこんな声が出たのかと思うほどの大声で叫んでいた。





そして、堪らなくなって駆け出した。


















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