ヤサオトコ
ビルの周りには、大勢の野次馬が好奇な目で栗崎たちを見ている。
二人は、その目を避けるように走り出した。
栗崎が前を走る男に話し掛けた。
「どこへ行くんだ」
「俺のねぐらに行こう」
男が振り返って答えた。
「ねぐら?」
「ついてくればわかる」
栗崎は男の後を追い掛けた。
男が公園の中に入って行った。
男はベンチの前で、急に走るのを止めた。
ハアハアハア・・・。
栗崎が喘ぎながら、腰を屈め、両手を膝に付いた。