ヤサオトコ

 「やめてえ~え。あかん。死ぬ~」


 緑は、田原の首筋を思い切り締め上げた。


 「くたばりやがれ」
 「誰か助けて~」


 「こん畜生めが」


 緑が腕に渾身の力を込めた。


 「あれ~、栗ちゃ~~ん」


 栗崎は名前を呼ばれて、仕方なく緑の手を引き離した。
 緑は仲裁に入ったのが、栗崎だと気付いた。


 「あっ、ああ・・・」


 緑はぽーと顔を赤らめると、一目散にそこから走って立ち去った。


 「ああ、苦しかった。死ぬかと思たわ」


 田原は、喉をさすりながら自分の席に戻った。


 「ほんま、えらい目に合ったわ。今日は、大凶やで」


 田原は、何気なく机の引き出しを開けた。








 
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