ヤサオトコ
「な、何や。この人形は」
机の引き出しの中を見て、田原がぎょっとした。
中には、白い布製の人形らしき物が入っている。
田原はそれを持ち上げて、まじまじと見詰めた。
「げえっ、何じゃ、これは」
それは、呪いの人形だった。
死ね。
人形の腹には、不気味な二文字が。
「誰や。呪いの人形を引き出しの中に入れたんは」
田原は血相を変えている。
「女供やな。あかん。絶対あかん。今日は大凶や。ちょっと、得意先に行ってくるわ」
田原は青い顔をして、そこから逃げ出した。