ヤサオトコ

 (こうなったらまな板の鯉だ。どうにでもしやがれ)



 栗崎は観念した。そして、恥を忍んでドアを開けた。


 「は、初めまして。く、栗崎と申します」
 「房江です。・・・あんた・・・凄いイケメンやな」


 房江はぽか~んと、栗崎の顔に見とれている。


 「初めて会った人にこんな事お願いしていいのでしょうか」


 栗崎がはにかみながら房江に言った。


 「遠慮せんとき。せやけど、あんたみたいなイケメンには、お目に掛かった事ないな」
 「それ程でも・・・」


 「いや、あんたは飛び切りのイケメンや」
 「・・・」


 「さぞかし女を泣かしているやろな。うちもせめて、あと30歳若かったらな」


 房江はおむつを手伝う事をそっちのけで、ただただ栗崎に見とれている。



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