ヤサオトコ
 
 「動物園」


 なぜ、野乃絵が動物園に行きたいのか、栗崎は不思議に思った。


 「どうせ二階で、ごろごろしているだけでしょう。今日は天気もいいし。ねえ、パパ、連れて行って」
 「動物園か」


 「子供の要求をかなえるのも、パパの大事なお勤めよ」


 野乃絵が執拗に動物園行きをせがむ。


 「それは、そうだけど」


 「じゃ、私、用意をするわね」
 「仕方ないか」


 (部屋に閉じ篭ってばかりいるのも良くないし・・・)


 栗崎は乗り気では無かったが、その提案に応じる事にした。

 
 「行って来ま~す」
 「店も手伝わんと、どこ行くねん」


 たこ焼きを焼きながら、しかめっ面の房江が尋ねた。







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