ヤサオトコ
「パパに、動物園に連れて行ってもらうの。ねえ、パパ」
野乃絵が栗崎に甘えた声で。
「・・・」
「あかん。あかんで。うちが、付き添わんと行かせへんで」
房江は猛烈に心配顔。
「お母ちゃんは、お店があるやろ。さあ、パパ行くで」
「ああ」
「待ちよし。行かせへん言うたら」
「子供がパパと動物園に行くのが、どこが悪いの。パパ、行くよ」
「行かせへん言うてんのに、行ってしもた。しゃあないな」
房江は店の入り口で、じたんだを踏んでいた。
二人は阪神電車で梅田へ。
デパ地下で弁当を買い求め、二人は地下鉄で動物園前駅へと向った。
阿倍野動物園は、家族連れで賑わっていた。