ヤサオトコ
「先輩?晃司の方が年上だと思うけど」
郁が微笑みながら呟いた。
「俺は今日からホームレスする訳だから、ホームレスに関してはぴかぴかの一年生」
「こら、一年生。先輩の言う事をよく聞くんだぞ」
郁が、栗崎に向って偉そうな顔をして言った。
「はい、郁先輩」
栗崎が郁に調子を合わせた。
あはははは・・・。
うはっはっは・・・。
二人は、顔を見合わせて互いに笑い転げた。そして、息が合ったところで、二人は郁のねぐらである雑居ビルへと向った。
雑居ビルは京町堀の一角にあった。
靱公園からは、ほんのすぐ近くだった。
4階建ての古いビルで、デザインスタジオ、機械の設計、コンピューターソフトなど、雑多なテナントが入っていた。