ヤサオトコ

 「どうして晃司がお礼を・・・」
 「だって、一人で公園のベンチで寝ていたら、今頃落ち込んで、落ち込んで、涙ながらに悲劇の主役を演じていた所だったよ。こんな明るい気持ちになれたのも、郁のお陰だよ。ありがとう。本当に感謝しているよ」


 「晃司はいい人だね。私が思った通りの人だよ。いや、それ以上かも分からない。こう見えても、人を見る目はあるんだ。えへへへぇ」


 郁が嬉しそうに笑った。


 「郁だっていい人だよ。財布を盗んだりするから、相当の悪だと思っていたけど。相当のいい奴だよ」


 「私、神様から見捨てられたと思っていたけど、そうじゃないみたい。こんなに信頼出来る相棒を与えられるなんて、神様に感謝しなくっちゃ。大事にするからね」


 「俺だって感謝しているよ。神様ありがとう」


 栗崎は、心の中で見知らぬ神に感謝を捧げた。
 二人は会ってまだ間が無かったが、不思議なほど打ち解けあった。











 
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