ヤサオトコ

 栗崎は何が出て来るのか、興味津々。
 郁が少し土を掘ると、木の板切れのような物が、顔を覗かせた。


 郁が板切れの上の土を綺麗に拭い、板切れを上に持ち上げた。
 その下には、自動販売機の横に置かれていたプラスチック製のゴミ箱が、そっくり埋め込まれていた。


 「これが、私の秘密の衣装ケースよ。いいでしょう」


 郁は自慢顔。


 栗崎が、秘密の衣装ケースを覗いて
 「それもしかして、ゴミ箱?」
 と、郁に驚いたような顔をして尋ねた。


 「そうよ。自動販売機の横に二つ並んで置いてあったから、一つ貰っちゃた。大目に見てね」


 郁が悪戯っぽい表情をした。






 
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