ヤサオトコ
「荷物も無くなった所で、朝食でも調達に行きますか」
「朝食の調達。いったいどこに行くつもり」
「ついてくれば、わかるわ」
郁が目的地に向って、さっさと歩き始めた。
栗崎は仕方なく郁の後に従った。
二人は靱公園から歩いて堂島地下街へ。
まだ、時間も早いせいか、開店している店もまばら。
郁は、開店している店には目もくれず、まっすぐにパン屋さんへ。
馴染みの店員を見つけると、郁が店員に声を掛けた。
「いつものある」
「ああ、あるよ」
店員が笑みを浮かべながら答えた。
郁が、ジーンズのポケットから小銭を取り出して店員に渡した。
「ありがとう」
郁が紙の袋を店員から受け取った。