ヤサオトコ
(このホストは、洟垂れ小僧では無い。大人の色気を持つ知性ある男だ。私がパートナーとして探していた数少ない男の一人だ。学歴、職歴、そして一番大事な容貌も合格。後は性格、能力だけ。慌てず、追々見極めるとするか)
冴は、心の目で栗崎を見詰めていた。
冴は事業を拡大する為に、パートナーを探していた。仕事回り、お得意様の間、いろいろと目ぼしい男を中ってみたが、帯に短し、たすきに長し。中々目に叶う男はいなかった。
もちろん、ホストクラブでパートナーを探そうとは、冴は思うはずなど無かった。
それが、それがである。直感的にストライクゾーンに入る男が、目の前に現れたから大変。
どこから見ても、エリートビジネスマンを思わせる風貌。それでいて、大人のフェロモンが滲み出ている。
とりわけ気に入ったのは、金に困っているのにかかわらず、がつがつせず、むしろ品さえ持っている点。
冴は、目の前に座る男を本気で品定めしようと考えていた。
それ以後、冴は、足繁く通う栗崎の馴染みの客になった。