ヤサオトコ

 冴は、あれから毎日、『ジェントル』のVIPルームに現れた。そして、いつものように栗崎を指名した。


 (決めたわ)


 冴は、栗崎の目の芯を見て、心の中で決心をした。


 栗崎の性格は、おぼろげだけだが、ほぼ分かってきた。が、能力は、十分の一も摑めていない。


 未知数の部分は、まだ確かに多くある。だが、冴は自分の直感に自信を持っていた。例え、読み違えであったとしても、後悔しない覚悟は出来ていた。


 「私の共同経営者にならない」


 冴が、いきなり心の中をストレートに吐露した。


 「えっ!」


 栗崎は、咄嗟に答えが出来なかった。


 (ホストのこの俺を共同経営者に。マジで。冗談だろう)


 栗崎は呆然と冴を見詰めていた。






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