ヤサオトコ
「あなたの知性と、大人の色気ね。あなたは、女性を惹き付ける強力な磁力を持っているわ。それも、私の顧客を惹き付ける強力な磁力をね」
「僕がですが・・・。それは、城田様の買い被りですよ」
栗崎が信じられない、という顔をした。
「私の目は、節穴じゃないわ。そうね。じゃ、あなたの心憎い魅力のひとつを言ってあげるわ。あなたは、高いお酒を決しておねだりなどしないわね。高いモノを売る秘訣は、相手が自ら欲しがらせる様にする事。無理に勧めても、客はそっぽを向くわ。私はあなたの外観に加え、内面の品の良さを買っているのよ。あなたは高いモノを売る秘訣を、憎いほど良く知っているわ」
鋭い冴の視線が、黒崎の目の芯を捉えた。