ヤサオトコ
冴が向かいの席から、体を捩じらせるようにして栗崎の横に席を変えた。
「ねえ、いいでしょう」
冴が、いきなり唇を求めて来た。
「止めないか」
栗崎が、咄嗟に冴の唇をかわした。
「ここがいやなら、ホテルを取ってもいいのよ」
「仕事がありますので、僕はこれで失礼します」
栗崎が帰るつもりで、ソファーから立ち上がった。
「まだ、いいじゃない。何なら、支配人に電話をして、同伴にして上げてもいいわよ」
冴が、栗崎を執拗に引き止めた。
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