ヤサオトコ

 次の日は、『ジェントル』に入店して初めてのシフト制の休みの日だった。
 栗崎は昼前まで寝て、それから部屋の整理、私物の片付けなどに慌しく時間を割いた。


 入店から今までは、あっという間に時間が過ぎ、余りにも忙し過ぎた。
 栗崎は公園で自殺を考えていた時から今までを、ぼんやりと頭でなぞっていた。


 (子供が出来た。この大事件を突然知った時は、心底うろたえたっけ。それにしても、怖い位順調だ。いいや、歯車がうまく回り過ぎる。公園で自殺する事も考えていた位だから・・・。それを思えば、ついているとしか言いようが無い)


 栗崎は、自分の運の強さを不思議に思っていた。


 (それはそうと、共同経営者の件はどうする気だ。受けるか。それとも断るか。この件に関しては、散歩でもしながら考えるか)


 栗崎は、久し振りに散歩をしたい心境になっていた。







 
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