ヤサオトコ

 その時、男の客が話を遮るようにお愛想と言った。


 「ありがとうね。850円です」
 「あの話を考えといてな」


 男は勘定を済ませ、房江の目を見ながら言った。


 「期待せんとってな」
 「・・・」


 男は無言で店を出て行った。
 房江が男が出て行くのを目で追っている。


 「たこ焼きをもらえますか」


 栗崎が間合いを見て房江に言った。





< 32 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop