ヤサオトコ
「あっ、栗崎さん、紹介しますわ。娘の野乃絵です。こちらは、栗崎さん」
「始めまして、池見野乃絵です」
「栗崎です。よろしく」
野乃絵は、自分の絵を褒めた知性的なイケメンが気になっていた。
「絵のことより二人はどんな関係」
野乃絵は二人の関係に興味があった。
「ちょっとした知り合いよ。なあ、栗崎さん」
「まあ、そうですね」
知り合いになった経緯を房江がお茶を濁してくれたので、栗崎は内心ほっとしていた。
房江はたこ焼きとビールをテーブルに置いた。
「ありがとう」
「あ、あっちちち」
栗崎が、たこ焼きをひと口食べて悲鳴を上げた。
栗崎を見て二人が思わず笑った。