ヤサオトコ

 絢奈の携帯電話から、ヤンチルの『仕掛け花火』が流れた。
 電話の相手を確認。


 携帯絢番号は栗崎を表示している。


 「はい、絢奈です」

 絢奈が電話に出た。


 「栗崎です。食事の件ですが、今週の金曜日、ご都合いかがですが」
 「いいですけど。何を食べさせて下さるの」


 「フランス料理でも・・・と、思っていますが」


 「栗崎さん、料理はされないのですか」

 絢奈が意味の摑めない質問をした。


 「一人暮らしなので、少しはしますが・・・」


 「私、栗崎さんの手料理が食べたいな」


 「えっ、僕の手料理を。まじですか。まいったな」
 「レストランより、心のこもった料理だとは思われませんか」


 「それは、そうですけど・・・」


 (心のこもった料理とは・・・手料理の事だったのか)


 栗崎は、あの時の意味深な言葉の意味が今わかった。






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