ヤサオトコ

 会社に着いても憂鬱な気分が続いていた。


 (嫌だ!)


 (帰りたい!)


 栗崎が心の底から叫んだ。
 その時、課長の怒鳴り声が聞こえて来た。


 「栗崎、何や、これは・・・。間違っとるやないか」


 「いつもミスばかりしやがって・・・」


 栗崎が恐る恐る課長の前へ。


 女性が助成に。


 課長の田原が誤字を見つけて大騒ぎしていたのだ。


 (誰だって変換ミス位するだろう)


 (これ位で騒ぎ立てるなよ)


 (皆が見てるじゃないか)


 そう言い返したい気持ちを抑え、栗崎はばったのように頭を下げた。







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