彼は人魚姫!
着ていたオフホワイトのカーディガンを慌てて、しぃにかける。


「風邪ひいちゃうよ」


涙はずっと止まらない。
ついには鼻水まですすってる。
これは夢じゃない。
勝手な妄想でもない。



「あっ」


起き上がったしぃがいきなり強く抱きしめる。
細身なのに、この腕力。
華奢に見えて、この筋肉。
抱きしめられるとたまらない。
力強くてたくましい。
ずっと。ずっと。
この人に守ってもらいたい。
やっぱり、誰かに守ってもらいたい。


「待たせてごめん」


そっと髪を撫でながら耳元で囁く。
こういう事、クサイけど好きな人にされると嬉しい。
待ってたけど、『ううん』って首を振る。
しぃはまだ優しくあたしの髪を撫でている。
懐かしむように、いとおしむように。
< 177 / 181 >

この作品をシェア

pagetop