彼は人魚姫!
そして、しぃの手は必然的にあたしの胸を掴む。


「変わってないね」


次の瞬間、しぃは左の頬を赤くさせる事になる。


「すいませんね。相変わらず小さい胸で!」


恥ずかしさと怒りと。
この大きさで、あたしだって満足してない。
そこの所を好きな人に言われると相当凹む。



「何で?これがいいんだよ。いつも言ってるだろ?ちょうど手のひらに収まるサイズがいいんだって。しかも僕の手のひらにピッタリ。すごい相性だと思わない?」


「思わない」


どんなフォロー?



「ずっと会いたかった。ママの事ばっか考えてた」


あらかじめ用意してあったのだろう、隅においてある薄いピンクの毛布を引っ張って取ると、あたしはしぃにかけてあげた。
さすがにこの寒さ、しぃの体が震えていた。


「急にいなくなってごめんね。会ってしまうと、きっと離れられなくなるって思ったから。この1年、『ママ絶ち』をして頑張って来た。父親に改めて認めてもらう為、ママを認めてもらう為、秋穂に諦めてもらう為」


真っ直ぐ見つめる大きな目に嘘は見つからない。


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