紅蓮の鬼


「っく…」


「我ハ死ンデ無イ」


近くで肉の焼けた匂いがする。


耳元で淋に似た声がした。


どうせ、さっきのようにテーブルに立ってんだろ。


ボタボタと血の塊が落ちていく。


少し首を傾けて後ろを見ると、何かが俺の耳に当たる。


たぶん、女1号の顔。


俺の胸に刺さっているのは、女1号の右手。


後ろから俺の脇に手を通して、俺の胸に爪を立てているのだろう。


「く…ソッ!」


-----ペギッ


俺は女1号の腕ごと無理矢理引き千切って、この部屋を出た。




< 590 / 656 >

この作品をシェア

pagetop