紅蓮の鬼
「でさ、楓太」
ふと、ヨシャが真面目な顔をする。
「お前から言ってくれねぇか?」
「何を?」
「俺らの下につけって」
「誰に?」
「鬼に」
「なんで?」
「戦争に負けるから」
「イヤダー」
俺は笑顔でキッパリと言う。
ヨシャはめげずに俺に嘆願して、話し出す。
「楓太も知ってんだろ?この国の状況」
「いや、全然」
「白を切るなよ。マジで負けそうなんだってば」
「えー……そんな焦った顔されても俺には出来ることねぇし」
「何でだよ?鬼がいr」
「あのな」
俺はヨシャの言葉を遮り、低い声を出す。
「自己チューな言動もいい加減にしろよ」
「え?」
彼はガチな感じで「自己中?なにそれ美味しいの?」とでも言いたげな顔して、俺を見る。
「鬼の頭領が断りに行かなかったか?」
「………………」
「そいつを殺そうとしたら、鬼の一族は許さねぇって言わなかったか?」
ヨシャは何も言い返せないようで、悔しそうに唇を噛みしめていた。