紅蓮の鬼


「でさ、楓太」


ふと、ヨシャが真面目な顔をする。


「お前から言ってくれねぇか?」


「何を?」


「俺らの下につけって」


「誰に?」


「鬼に」


「なんで?」


「戦争に負けるから」


「イヤダー」


俺は笑顔でキッパリと言う。


ヨシャはめげずに俺に嘆願して、話し出す。


「楓太も知ってんだろ?この国の状況」


「いや、全然」


「白を切るなよ。マジで負けそうなんだってば」


「えー……そんな焦った顔されても俺には出来ることねぇし」


「何でだよ?鬼がいr」


「あのな」


俺はヨシャの言葉を遮り、低い声を出す。


「自己チューな言動もいい加減にしろよ」


「え?」


彼はガチな感じで「自己中?なにそれ美味しいの?」とでも言いたげな顔して、俺を見る。


「鬼の頭領が断りに行かなかったか?」


「………………」


「そいつを殺そうとしたら、鬼の一族は許さねぇって言わなかったか?」


ヨシャは何も言い返せないようで、悔しそうに唇を噛みしめていた。





< 641 / 656 >

この作品をシェア

pagetop