Raindrop~Mikoto side
「……ありがとうございます。僕も……頑張ります」

相変わらず静かな声だけれど、なにかを堪えているように固くなっている気がする。

「ふふ、頑張りすぎちゃ、駄目なのよ……今の貴方は、心を、休めないと……」

……なんて。

ごめんなさいね。

私には言われたくないわね。


気を遣わせてしまってごめんなさい。

何も聞かずにいてくれて、ありがとう……。




部屋に帰って、冷水でバシャバシャと顔を洗って気分をすっきりさせてから、トートバッグに入れていた楽譜を取り出した。

一緒にグルコンに参加するセカンドの子が編曲してくれた、ショパンの『雨だれのプレリュード』。

それを眺めて、テーブルの上に置いて。新しい五線譜ノートを取り出した。

和音くんや拓斗くんならこれでも初見で弾けるだろうけれど、花音ちゃんにレベルを合わせてあげた方がいい。

それに、単純な方がすぐに入り込めて、何も考えず、純粋に重なり合う音を楽しめる。

今日の和音くんの様子なら、きっと……伝わると思う。

音楽とは、音を楽しむものなんだって。

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