ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
同窓会か……。
楽しかった高校時代。
長いようであっという間に過ぎてしまった3年間。
同じクラスの同級生。
久しぶりにみんなに会いたいとは思うけど、とても、自らの意思で行く気にはなれなかった。
マサキの元にも、これと同じハガキが届いてるんだと思うと、複雑な気持ちになる。
来るのかな? 彼は……。
マサキ。これを手にして、今ごろ何を考えている?
私と付き合ってた時のことを、思い出してくれている?
「マサキは来るかな?
……ははっ。そんなわけないか。
あれから、何の連絡もなかったし。
今さら、来るはずない」
自問自答を口に出しつつ束になった郵便物をバッグの中にほうり込むと、玄関の扉を開ける。
いつもと変わらないシンとした屋内も、この瞬間、普段より寂しく感じた。
あんなにも愛した人は、先にも後にも、マサキだけ。
きっと、この先どれだけ生きても、マサキ以上に愛せる人には、出会えない。
自覚すると同時に、私は深い孤独感に包まれた。
だって、マサキとは別れたのだから。
今ごろ彼は、私が存在しない場所で自分の人生を生きているのだから……。