ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
わかってる。
物事の対応力に、年齢なんて関係ないってこと。
年齢を言い訳にするのは、私が幼い証拠だ。
精神的にも成熟した大人は、自分で自分のことを『オトナ』と主張したりしない。
今の自分をこんなにも責めてしまう理由は、ふたつある。
ひとつ。マサキへの恋心を砕けないでいるから。
ふたつ。ユキリンが、来年結婚すると報告してきたから。
昨日、同窓会に遅れて来ると言っていたユキリン。
彼女は、同窓会がいちばん盛り上がっていた時間帯にも顔を出さなかった。
アサミと顔を見合わせ、「もう来ないかもね」と決めつけてしまったくらい、ユキリンは大遅刻で登場した。
同窓会が終わる頃、ユキリンは彼氏を連れて現れたのだ。
ユキリンの彼氏は、同じ高校の同級生ではないから、本来、来てはいけないはず。
ユキリンカップルは、料理や酒に手をつけることはなかったけれど、会費はしっかり幹事に渡していた。
彼女は、彼氏とフロア中を練り歩き、こう言って回った。
「遅れてごめんね!
今まで、この人と、私の家で両親と話してて。
私たち、来年結婚することになったの。
子供ができてさ!」
まさかの結婚。
まさかの妊娠。
会場は、一気に沸いた。