ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
よし、あった……!
検索に慣れてしまったのか、女子高生の話を聞いて探した時より、早く見つけることができた。
マサキさんのケータイ小説の表紙をブックマークし、今度は、焦る気持ちで読みはじめた。
《しっかり者で、ドジをしても人に頼らないM。
そんなところが、とてもかわいく思えたし、今まで周りにいなかったタイプというのもあり、俺は彼女に興味を持った。
Mと付き合えることになった日。
興奮して全然眠れなかったのを、今でもよく覚えている。
あれは、16歳の誕生日を迎える前。
15の夏。
高校生活にも慣れ始めた頃だった。》
作品内に出てくる“M”。
マサキさんが小説のテーマにした、元カノのイニシャル……。
マサキさんとMの出会いの場面。
マサキさんの恋心。
忘れかけていた甘酸っぱい気持ちをよみがえらせつつ、私は続きを読んだ。