お前は俺がもらう
「私の名前楊って言うの
好きなように読んでね」
「……」
楊さんは、私の怪我を
優しく手当てをしてくれる。
「い!っ…!」
痛いけど楊さんの優しさが伝わる。
背中や、顔など
消毒やら絆創膏、包帯を巻いて
楊さんが、『ちょっと待ってて』といい
部屋から出て行った。
裸のままだと、誰がいつ入るか
わからないから結耶のYシャツを背中から
被せてくれた。
腕をクロスにして
Yシャツを握る。
Yシャツには、ほんのり甘い香水の香りがする。
キツいって訳じゃないし
ふわふわとした香りだ。
「この匂い…私嫌いじゃないな…」
「ねぇ、ねぇ!
こんなのは、どう?
えーと、名前…」
「な、ついです」
少し掠れた声が出て、
楊さんは、黒髪の人に
『何か飲み物持ってきて!』と
パシりに使わされていた。