お前は俺がもらう
「……」
私は、二人に見られているのが
恥ずかしくて、
長袖のYシャツで口元を隠し
目を逸らした。
「あんたどうしたの?
ここ赤いわよ?」
トントンと指をつつく
楊に腹が立ったのか
パチンと叩いた。
楊さんは、ニッコリと笑い
結耶をみる。
結耶も負けないように
睨み返す。
仲がいいのか悪いのか私にはわからない。
「きみ…もしかして
夏川高校の子?」
「!」
どうして知ってるの?って疑問に思った。
「よく、見たらどこかで
見たことあるなぁって思ってさ
夏川ってあれだろ?
美少女が多いって
よく、男子が狙いに
校門で待ってる噂。
女子しかいねぇんだろ?」
私は、首をコクリと頷いた。
「俺の学年も
夏川で知り合ったやつと
付き合ってるんだよ
あ、俺、日向悠司
結耶と同じクラス!
で、このクールボケが
桧埼結耶だよ」
そう言われたのが嫌で
結耶に殴られていたことは言うまでもない。